「見えないものを追いかけて~『大地の再生』と私とあなた~」

「見えないものを追いかけて~『大地の再生』と私とあなた~」

地球再生に向けて新たな視点を投げかけた『杜人』の映画監督前田せつ子氏、その技術書『「大地の再生」実践マニュアル』を図説したイラストレーター大内正伸氏が国立のアグレアブル・ミュゼで再会します。2018年の春、お二人はほぼ同時に矢野智徳氏の「大地の再生」を追いかけ始めました。その出会いまでの様々な軌跡とその後の展開について、お二人のトークをまじえながら、皆様と分かち合いたいと思います。


▼大内氏のトーク内容

1996年に開始した東京西多摩の森林ボランティアから人生は大きく回転し始めました。絵本作家を夢想していた僕の初めての著作が『鋸谷式 新・間伐マニュアル』という林業の技術書になってしまったのです。クラフト紙(梱包などに使われる紙)に描いた7点の絵が僕の原点なのですが、その流れの中に矢野さんの技術を著した『「大地の再生」実践マニュアル』があります。出版と同時に、堰を切ったように自らのワークショップを展開し始めました。里山や人工林の再生にとどまらず、石積み・薪火・縄文小屋や囲炉裏づくりなど、「大地の再生」との出会いによって強化された自然暮らしの技術を伝道している・・・久しぶりの東京でそんな近況を語ります。


▼前田監督のトーク内容

「いのちの海に放射能を流してはいけません!」

2006年秋、辰巳芳子先生の逆鱗に触れたのが「運動」を始めるきっかけでした。音楽や映画、芝居、漫画、小説などの世界に憧れていたのに、生々しい「政治」に世界に入ることになり、その直前に最も恐れていた事故が起こりました。議員になって4年目に会った矢野さんは、原子力の問題、人間社会の軋轢に圧し潰されそうだった私を救い、深呼吸させてくれました。

奇しくも初めてドキュメンタリーを撮ることになったわけですが、さまざまな現場に大内さんがいてくださったことがどんなに気持ちをラクにしてくれたことかわかりません。どっちが先にゴールするか、競い合い、励まし合いながらの4年間でした。こんなふうにお互いが一つのゴールテープを切り、また新たな道を歩み始めていることは、奇跡の連続の上に差し出された草の根の冠に思えます。そこには見えない何かの力が働いている、とも。

全国各地の上映会で見えてきた共通の課題と小さな声をあげ始めた人々の逞しさ、くにたち二小の樹木の緊急避難プロジェクト、フランスでの初上映で感じたことなど、分かち合い、一緒に考えられたらと思います。


▼大内正伸(おおうち・まさのぶ)

1959年茨城県生まれ。日本大学工学部土木科卒。設計コンサル勤務後、山小屋、型枠解体、地質調査、魚河岸などのアルバイトを経て、フリーのイラストレーター・著作家。1986年『山と溪谷』誌でデビュー。1996~2003年、東京西多摩の森林ボランティアを機に林業の技術書を著す。2004年、群馬県で山暮らしを始める。2011年、香川県高松市に転居。2015年、自宅兼アトリエ「囲炉裏暖炉のある家」竣工。2020年、自邸の敷地で「大地の再生講座」を開催する。東かがわ市五名地区の棚田・里山再生活動「Gomyo倶楽部」代表。著書『図解 これならできる山づくり』(共著)『山で暮らす 愉しみと基本の技術』『囲炉裏と薪火暮らしの本』『楽しい山里暮らし実践術』『「囲炉裏暖炉」のある家づくり』『「大地の再生」実践マニュアル』(共著)紙芝居『むささびタマリン森のおはなし』『神流川なつかし物語』他多数。


▼前田せつ子

山口県生まれ。東京外国語大学卒業。1984年(株)ソニー・ミュージックエンタテインメント入社。音楽雑誌、映画雑誌の編集を手がけたのち、99年よりフリーランス。雑誌『Lingkaran』ほか環境・料理系の記事の編集/執筆に携わる。手がけた書籍に『辰巳芳子の展開料理』(ソニー・マガジンズ)、『フジコ・ヘミング 14歳の夏休み絵日記』(暮しの手帖社)等。2007年『六ヶ所村ラプソディー』を国立で自主上映。2011年5月~2015年4月、国立市議会議員。在任期間中、さくら通りの街路樹伐採計画が浮上したのを機に、矢野智徳氏と出会う。2018年3月~アップリンク主催ムービー制作ワークショップを受講。同年5月『杜人(もりびと) 環境再生医・矢野智徳の挑戦』撮影開始。3年半の撮影期間を経て2022年4月アップリンク吉祥寺で封切り。全国46の映画館で上映され、現在も300を超える会場で自主上映が続いている。


■日時 12月19日(火)

・ カフェ・オープン 12:00~

・ トーク・スタート 13:30~

・ ミニライブ    16:30~17時頃まで/ハートマネー

  ピアノ・うた / 新屋賀子

       舞 / 中野妙香

カフェでは、オリジナルドリンクや玄米ベジカレーなどをお楽しみ頂けます。


■料金

3000円+ドリンク・オーダー


■ご予約・お問合せ(定員30名)

agreable.musee@gmail.com

042-577-7353(アグレアブル・ミュゼ)

*開場は靴を脱いでお上がり頂きます。必要な方はスリッパや厚手の靴下などをお持ちください。


■会場

agréable*musée アグレアブル・ミュゼ

国分寺市光町1丁目42−8

JR中央線 国立駅北口より徒歩4分

agréable*musée

・gallery&space(Art, Music, Event, Photostudio) ・gallery shop ・atelier [ADD] 1-42-8, Hikari-cho, Kokubunji-shi, Tokyo [EMAIL] agreable.musee@gmail.com [TEL] 042-577-7353